2014年08月09日

現場の問題は経営の問題

 会社での問題解決を生業にしているので、日々様々な問題に直面します。どんな会社でも問題を抱えており、つくづく問題のない会社はないものだと感じています。問題の多くは業務フローの後半で発生することが多く、前半のまずさが後半にしわ寄せしている例をよく見かけます。つまり問題の多くが現場で発生しているのです。起きている問題に対して、その問題の根本原因を突き止めて改善をしていくのですが、実は根本原因が現場にないことが多いです。例えば、製造現場での低い生産性の根本原因が設計開発の仕組みにあるとか、工場での労働災害の根本原因が本社による工場の評価指標が損益のみとなっていて労働災害リスクを低減する投資が不十分であったことなど。詳細なデータを取ったわけではありませんが、現場で起きている問題の8割くらいは経営システム(経営方法や経営の仕組み)のまずさによって引き起こされていると感じます。

 一例を挙げると、ある金属加工会社では、賃金の高い国内生産を維持するため曲げ加工の全自動機を投入しました。本来は24時間稼働が可能であるにもかかわらず稼働率は60%に満たない状況でした。経営者らは莫大な設備投資をしたのに工場の生産性が上がっていないと工場長を攻め立てました。しかし、よくよくその原因を探ってみると、材料の鋼板が同一板厚、同一材種の時のみ自動運転が可能なのに設計段階で種々の板厚、種々の材料を選択していたことが原因であったことが判明したのです。そこで工場の生産性を向上するために組織横断的に対応方法を検討し設計の仕組みを見直し、稼働率を飛躍的に向上させました。現場の努力不足ではなく設計の仕組みに問題があったので、現場にいくら発破をかけても設計の仕組みを直さないかぎり稼働率は改善されなかったでしょう。
 
 このように現場で起きている問題の多くは経営システムのまずさが原因となっているので、経営システムを直さない限り問題解決には至らないのです。問題解決にあたっては経営システムのまずさをあぶり出さなければなりません。そのために必要なのが前回のブログでも触れた“なぜ5回”なのです。なぜを5回もやると経営システムのまずさに到達します。逆に言うと経営システムのまずさに到達するまでなぜを繰り返さなければならないのです。問題が起こった時に、「人は悪くない、悪いのは経営システム」という認識を持つことが大切です。
posted by kobayashi-keiei at 21:27| 日記