2016年11月14日

プロセスアプローチの教本

来月15日に拙著「プロセスアプローチの教本〜実践と監査へのステップ10」が出版されます。
「はじめに」をご紹介します。

はじめに

 品質マネジメントシステムの基本は“プロセスアプローチ”であると言われています,またISO9001の基本も“プロセスアプローチ”であると言われています.“プロセスアプローチ”とは簡単にいうと“品質をプロセスでつくり込む”ことなのですが,これがまたわかりにくいのです.日本の製造業で昔からよくいわれた“品質を工程でつくり込む”ことを発展させたものなのですが,製造工程はもちろんのことすべての仕事に当てはめようというものです.しかし,“プロセスアプローチ”という言葉は聞いたことがあるけど,どういう意味なのか?どんなメリットがあるのか?具体的に何をすればよいのか?がわからないという声が大変多いというのが事実です.
 筆者は“プロセスアプローチ”について,コンサルティングや研修などを通じて様々な組織に導入の支援をしていますが,特に研修においては終了後によく言われたことがあります.その研修には品質マネジメントシステムの責任者や担当事務局の方が多く参加されているのですが,「今回の研修に参加して私たちは“プロセスアプローチ”をよく理解できたつもりですが,これから会社に戻って“プロセスアプローチ”を社内に普及させなければなりません.そのためのよいテキストはないでしょうか?具体的に何をどう教えればよいのかがわからないのです.」と何人もの方から言われたのです.確かに“プロセスアプローチ”の実践つまり“品質をプロセスでつくり込む”のは品質マネジメントシステムの事務局ではなく,実際にプロセスに携わる人々なのです.そういう人たちにこそ“プロセスアプローチ”を理解してもらうためのテキストが必要だったのです.
 本書はこうした経緯から企画されたもので,各プロセスの責任者を含む一般の運用担当者向けにやさしく基礎の基礎から“プロセスアプローチ”を理解し,身につけていただくことをねらいとしています.したがって,わかりやすい表現を心がけました.Step1からStep10まで各ステップで学ぶべきことを設定して,順番に取り組むことで,自然と“プロセスアプローチ”が身につくことを目指しました.これが“プロセスアプローチへのStep10”なのです.
 また,より理解を深めていただくために代表的なプロセスの事例をプロセスアプローチの事例集に載せています.さらに,ISO9001:2015で強化された“プロセスアプローチ”について,ISO9001要求事項とプロセスアプローチとの関連をわかりやすく説明しています.最後にISO9000で定義されているプロセスアプローチにかかわる用語についても解説を加えています.これらによりISO9001に基づく品質マネジメントシステムを運用する組織にとって大変役立つ内容となっています.
 本文でも触れていますが,最終目的は“プロセスアプローチ”を身につけることではなく,“プロセスアプローチ”の実践により,組織にかかわるすべての人々が幸せになることです.“プロセスアプローチ”は目的ではなく,あくまでも手段であり,組織にかかわるすべての人々が幸せになることが目的なのです。この目的を忘れてはいけません.この目的をしっかり胸におさめたうえで本書を読み進めていただきたいと思います.本書を通じて,皆さんの最終目的が達成されることを期待します.
posted by kobayashi-keiei at 10:27| 日記