2019年09月05日

「図解 品質コンプライアンスのすべて」発刊

9月27日に著書「図解 品質コンプライアンスのすべて」が発刊されます。はじめにの部分を掲載いたします。興味があったらぜひご購読ください。
 

はじめに

 平成の時代がまもなく終わりを告げようという頃から、製造会社において、無資格者による検査や検査データの改ざんなど、製品品質にかかわる不適切事案が数多く露呈しました。いわゆる、品質コンプライアンス違反と呼ばれる不正です。
 品質コンプライアンス違反の多くは、個人が利益を得るといった不正とは異なり、上司のため、部署のため、会社のため、場合によっては自分を犠牲にしてまで、他者の利益のために動いているところが特徴となっています。
 それゆえに、通常のコンプライアンスへの対応とは違う角度からのアプローチで品質コンプライアンスに対応することが必要となっているのです。

 しかしながら、実際に品質コンプライアンスに対応しようとしても、どこから何を始めてよいのかわからない組織が非常に多いのが実情です。だからといって、全く新しい仕組みを作って運用しようとすると、多くの経営資源が必要となります。多くの組織では、ただでさえ日常業務に追われているなか、今以上のパワーをかけられない状況にあります。このような場合は、現在保有する資源を有効活用することが肝要となります。

 その有効活用すべき資源に代わるものが、品質マネジメントシステムです。認証の有無にかかわらず、品質マネジメントシステムが存在しない組織はありません。それというのも、品質マネジメントシステムとは、買い手に安心感を与え、お客様(顧客)の満足度を向上させることが目的だからです。
 この品質マネジメントシステムをベースとして、さらに品質マネジメントシステムの中核であるプロセスアプローチを活用することにより、最も効果的かつ効率的に品質コンプライアンスへの対応ができるのです。

 しかし、品質コンプライアンス違反を犯した企業の多くはISO認証を取得していて、品質マネジメントシステムが運用されていたにもかかわらず、不祥事を招いてしまいました。これは、品質マネジメントシステムどおり実施していない未遵守や品質マネジメントシステム自体が不適切で不備があったり、あるいは品質マネジメントシステムの水面下で不正が行われていたりしたということです。
 これらは、品質マネジメントシステムの本来の目的を忘れて、ただ単に認証を取得や維持さえすればよいという、全く間違った考え方で運営した結果であるといえます。したがって、現状の品質マネジメントシステム自体にもメスを入れる必要があり、品質マネジメントシステムの強化は必須事項となるのです。

 本書は、品質マネジメントシステム及びプロセスアプローチを有効活用した品質コンプライアンスのすすめ方をわかりやすく解説したものです。そのため、品質コンプライアンスの対応を意図していますが、品質マネジメントシステムやプロセスアプローチを正しく理解し、機能させるために必要な事項が数多く盛り込まれています。
 したがって、品質マネジメントシステムを運用するすべての組織にとって有益な内容となるように意図しました。

 本書をじっくり読んでいただくことで、品質コンプライアンスへの対応について、確実に理解が進むものと思います。しかし、短い時間で一通りのことを理解したいとか、まず概要を理解して、じっくり読み進めたいという方には、図表のみを見ることで理解できるように工夫してあります。

本書を通じて、より強固な品質マネジメントシステムへの改善により、品質コンプライアンス違反が起きる心配のない、安心で有効な組織運営を実現していただきたいと願っています。

以上
posted by kobayashi-keiei at 20:36| 日記